見学会報告 (2) 旧三河島汚水処分場

 2024 年1 月27 日土曜日に旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)施設の見学会を開催しました。旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)施設は地下深くに流入してきた下水を地上にある水処理施設に送り込むための施設です。大正11 年に運転を開始してから、最新技術のものへと更新されましたが、平成11 年(1999 年)に別系統のポンプ場に切り替えるまで稼働を保持し続けました。
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/b4/guide/s-mikawa/


 見学会は係の方から施設の事前説明を受け、①門衛所、②阻水扉室上屋、③沈砂池、④濾格質上屋、⑥量水器室、⑦喞筒井、⑧喞筒室、⑤土運車引揚装置(インクライン)の順に各施設を見学しました(下図参照)。

 処分場に集まってきた下水は、②阻水扉室上屋から⑦喞筒井まで2系統で流れていき、⑧喞室手前で合流しています。施設の地下部では水路(暗渠)の合流する箇所を歩いて見学することがで、美しい曲線を見ることができます。水路(暗渠)底面にはタイルが貼り付けてあり腐食対応が施されています。
 ⑧喞筒室には10台のポンプが設置されていて壮観な眺めでした。大空間を創出する屋根は富岡製糸場と同じトラス構造です。また、室内には天井クレーンが設置されていて「東京石川島造船所 大正九年製造」とあります。ご一緒された機械系の皆さんにとっては興味ある機械だそうです。

 見学の最後に参加者一同で記念写真を撮影しました。
 最後に土木的な視点から感想をお伝えします。一般的に下水は自然流下で下流へと運ばれて行きます。当然、流末に位置するポンプ場は地中深くなります。水再生センターで処理された水は河川へ戻っていきます。必然的に立地は河川に近い軟弱地盤となります。この様な条件下で地中深く構造物を構築した先人たちの知恵と努力は如何ほどのものだったか想像を超えるものがあります。しかも、この施設が約80 年間稼働したことに感激を覚えました。
 なお、見学の記念品としてマンホールカードと絵葉書を頂きました。
※マンホールカードとは
GKP 下水道広報プラットホームが全国の地方公共団体と一緒に発行しているもので、世界に誇れる文化物である日本のマンホール蓋を国民の皆様に楽しく伝えるとともに、下水道への理解・関心を深めていくためのコミュニケーションツール

 下水道広報プラットホーム https://www.gk-p.jp/ より引用